『光る君へ』紫式部の大河ドラマ24年1月スタート!
十二単と書いて「じゅうにひとえ」……日本人なら誰しも耳にしたことのある言葉だとは思いますが、いきなり漢字だけ見ると読めない人も少なくなさそうです。
平安時代に完成した女房装束の代表格で成人女性の正装。日本の伝統を感じる儀服ですが、私たちが日常生活の中でふれる機会はそれほど多くなく、舞台や映画、宮中の儀式の中継などで鑑賞する程度ではないでしょうか。
2019年には皇后雅子さまが即位礼正殿の儀でお召しになられたことが大きな話題となりました。
そんな十二単が2023年は再び脚光を浴びそうです。24年1月スタートのNHK大河ドラマ『光る君へ』がきっかけです。脚本は大石静さん、主演は吉高由里子さん。世界最古の女性文学といわれる『源氏物語』を生んだ紫式部の生涯を描くもので、来年夏に撮影開始予定です。
吉高さん演じる紫式部(まひろ)と惹かれ合う藤原道長役は柄本佑さんに決定。平安時代中期を舞台にした大河は珍しく、主演・脚本・制作統括のチーフプロデューサー・チーフ演出の4役が全員女性というのも大河史上初で期待感を高めています。
そして平安時代といえば思い浮かぶ十二単。長い髪をひいて伏している女性の絵を目にしたことがある人は多いでしょう。
あえてファッションという言葉を用いるなら、ファッションの一つの魅力として着る人の良さを引き出しつつもその人を自然に演出してくれるという点があげられると思います。たとえプロのモデルではなくてもカジュアルでくだけたファッションを身にまとえば誰しもリラックスした素の自分でいられるでしょうし、フォーマルなものであればフォーマルなマナーを勉強しながら立ち居振る舞いもそれに見合ったものになっていきます。和装であれば和装なりの所作があります。こうしてファッションは着ている人の「素」も「こうなりたい」という変身願望も無理なくかなえてくれる魔法のようなものなのです。
十二単であれば、着る人をあこがれのお姫様にしてくれます。
2019年に皇后雅子さまが即位礼正殿の儀でお召しになられたのとちょうど同じ頃、メディアの取材をはじめ注目を集めた写真館が東京にあります。かねてより七五三の記念撮影などのため独自に十二単の衣装を準備していたスタジオタカノです。
日本髪が80%という特別なスタジオで、家族の記念写真やポートレート撮影で長年の実績があり地元の人々を中心に親しまれています。十二単があるということで、七五三の時期には多数のお客様が来店します。撮影をただ写真を撮るだけではなくて一つの貴重な機会として捉え、十二単の世界観を大切に和の美しさや楽しさを家族みんなで分かち合うことを目指しています。歴史の重みまで感じることができるかもしれません。写真を撮ることが記念に残るだけではなく貴重な体験となるのです。
スタジオタカノではNHK大河ドラマ『光る君へ』から紫式部をイメージし、今回新たに7歳用の十二単の制作を衣装屋さんとコラボして進めているとのこと。完成が楽しみです。